禿とは?
花魁のそばにいた小さな存在を、ただの「飾り」にしない。

禿(かむろ)は、花魁の周囲にいた子どもの従者
18世紀後半の吉原を描いた同時代作品には、高位遊女のそばに禿が描かれています。1785–1790年頃の歌川豊国作品では、花魁の前方に二人の新造、両脇に二人の禿がいる構成が明記されています。1796年の作品でも、高位遊女、新造、二人の禿が一緒に歩く姿が確認できます。
つまり禿は、後世の映像でありがちな「華やかさを足すための子ども」ではありません。新吉原の内部で、花魁を中心とした人間関係と役割のなかに存在していました。
花魁道中を見るなら、周囲の人を見る。
高位遊女の移動は一人では完結しません。新造、禿、店側の人々、目的地となる揚屋。誰がどこにいて、なぜ一緒に動いているのかを見ることで、「花魁道中」は単なる衣装ショーではなく、新吉原の仕事と制度の一部として見えてきます。

禿と新造は同じではない
禿は子どもの従者、新造はより年長の見習い・若い遊女として、同じ行列のなかでも異なる位置づけで描かれます。大英博物館の1785–1790年頃の作品では、新造は前方、禿は花魁のそばという配置が確認できます。ただし、すべての時期・店・場面で同じ配置だったと一般化はしません。
紫月の物語では
OCSの紫月は架空人物です。EP01では、禿を紫月の個人的な「かわいい相棒」と歴史事実のように扱わず、史料で確認できる役割関係を土台に、仕事場の一員として再構成しています。
Direct source: British Museum, Utagawa Toyokuni I, courtesan and entourage, 1785–1790. The museum description identifies two shinzo and two kamuro.
Period-adjacent support: The Metropolitan Museum of Art, Courtesan and her Attendants under a Willow Tree, 1796, showing an oiran with a teenage shinzo and two kamuro.
OCS imagery is reconstructed visual fiction. Historical facts, period-adjacent support, and fictional narrative are distinguished.
