南野ひかり、
南の島で過ごしたある夏の一日
HIKARI MINAMINO
WHISPER OF THE SEA BREEZE
知らない町に着いた午後、海から吹く風だけが、
ずっと前から彼女を知っているようだった。
南野ひかりが南の島で過ごした一日を、
八つの風景からたどる。
海の広さを思い出す
人の少ない浜辺へ出ると、景色の中から音が消えた。 聞こえるのは、一定の間隔で砂を濡らす波と、 帽子のつばを揺らす風だけ。 急ぐ理由のない場所では、歩幅も少しずつ変わっていく。
夏をかぶる
麦わら帽子を深くかぶると、強い日差しが少しだけ遠ざかった。 髪を整えようとして、すぐにやめる。 海辺では、風に乱されたままの方が自然に見えることもある。
時間の止まったホテル
海岸通りを少し離れた場所に、古いホテルの看板が残っていた。 色褪せた文字と、潮風に曇った窓。 初めて来たはずなのに、昔の夏休みに戻ってきたような気がした。
小さな鍵を受け取る
フロントで渡されたのは、重さのある昔ながらの鍵だった。 部屋番号の刻まれた札が、手の中で静かに揺れる。 旅先の鍵には、その日だけ別の暮らしを与えてくれる力がある。
水面に残ったもう一人
午後の光が傾き始め、水面に空と彼女の姿が重なった。 風が吹くたびに輪郭は崩れ、またゆっくりと戻ってくる。 写真に残るのは、その一瞬だけ現れた、もう一つの夏だった。
日が沈む前の色
一日の終わりが近づくと、浜辺の色は急にやわらかくなった。 肌も、砂も、遠くの建物も、同じ橙色の光に包まれていく。 この時間だけは、何も言わずに海を見ていたかった。
夏の向こうへ
彼女は一度も振り返らず、波打ち際を遠ざかっていった。 足跡は次の波に消され、夕暮れだけが浜辺に残る。 旅が終わったのか、それとも、ここから始まるのかは分からない。
EDITOR’S NOTE
ここに載せたのは、
一日のほんの一部。
本記事で公開したのは、全41枚の写真から選んだ8枚だけです。 朝の海辺、ホテルで過ごす午後、夕暮れまでの小さな表情。 Amazon版には、ここでは公開していない30枚以上の写真を収録しています。
OCS TROPICAL PHOTO BOOK
海風のささやき
南の島で過ごした、ある夏の一日。
南野ひかり 昭和レトロ水着写真集
海辺に残る昭和の空気と、南野ひかりの静かな夏。 広い浜辺、古いホテル、午後の水面、そして夕暮れ。 一冊を通して、南の島で過ぎていく一日を追った ノスタルジックな写真作品です。
Model:南野ひかり / Hikari Minamino
Label:OCS TROPICAL
Published by Office Curve Studio
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