1972年の三重県安乗の海女仕事で使われるスカリと磯道具を史料にもとづき再構成したOCSビジュアル

海女の道具|何を持って潜る?磯メガネ・磯ノミ・スカリ・タンポ

OCS KNOWLEDGE HUB / AMA TOOLS

海女の道具

海女は何を持って潜る? 獲物を見る磯メガネ、岩から外す磯ノミ・カギノミ、採ったものを入れるスカリ、浮上後の身体を支えるタンポ。海女漁の道具は、潜水の流れそのものを支える仕事のシステムです。

1972年安乗の海女仕事で使われるスカリと磯道具を史料にもとづき再構成したOCSビジュアル

10-SECOND ANSWER

見る、採る、入れる、休む。

海女の代表的な道具は、磯メガネ、磯ノミ・カギノミ、スカリ、タンポです。鳥羽市の海女教育資料でも、磯メガネで海中を見て、磯ノミでアワビを岩から外し、採取物をスカリへ入れ、桶やタンポを浮具・休息具として使う仕事の流れが説明されています。道具の名前や形には地域差があります。

FUNCTION MAP

道具は、潜水の順番で見ると分かりやすい。

TOOLS / DETAIL

一つずつ見る。

磯メガネ — 海中を見るための道具

磯メガネが普及する前、海女は裸眼で潜っていました。鳥羽市資料では、磯メガネの登場によって獲物を見つけやすくなったことが説明されています。形は地域や年代で異なり、現代的なスキューバ用マスクと同一ではありません。磯メガネとは? →

磯ノミ・カギノミ — 岩から獲物を外す

アワビは岩へ強く張り付くため、磯ノミを差し込み、てこのように使って外します。長さや形は漁場や用途によって異なり、カギ状のものも使われます。カギノミとは? →

スカリ — 採ったものを入れる

スカリは網状の獲物入れです。首や腰につける型、浮具の下へつるす型などがあり、採るものや地域で使い方が異なります。安乗では、現役海女が獲物を入れやすく逃げにくくするため、スカリの入口にゴム蓋を付ける改良も行っています。

タンポ・磯樽 — 浮くためだけではない

タンポや磯樽は、海面で位置を保ち、身体を休ませる浮具です。安乗の現役海女は、タンポへ腹を乗せて上半身を海上へ出せることが呼吸を楽にすると説明しています。つまり、潜水と次の潜水の間に身体を回復させる装置でもあります。

1972 ANORI / DIRECT EVIDENCE

1972年の安乗では、道具が仕事の中で見える。

三重大学海女研究センターの1972年8月24日安乗写真には、タンポにつかまって休む海女、船上の浮樽やスカリ、磯メガネを装着した潜水姿などが記録されています。OCSでは、この直接資料をANORI WORLDの道具Authorityとして使っています。

1972 → 1982 → 1992 道具比較を見る →

THEN / NOW

道具は消えるより、更新される。

磯桶が樽や発泡スチロール系のタンポへ変わり、スカリには現場発の改良が加わる。現在の鳥羽市でも、海女漁に必要な道具としてウェットスーツ、足袋、ウエイト、フィン、メガネ、磯ノミ、スカリなどが行政支援の対象になっています。名称や素材が変わっても、「見る・採る・保持する・身体を支える」という仕事上の機能は長く続いています。

FAQ

よくある疑問

海女は酸素ボンベを使いますか?

伝統的な海女漁は呼吸器を使わない素潜りです。鳥羽市資料では、潜水用タンクは海女漁では禁止されていると説明されています。

スカリとタンポは同じ道具ですか?

違います。スカリは獲物を入れる網袋、タンポは身体を支える浮具です。ただし実際の操業では互いに結びつき、一つの作業システムとして使われます。

海女の道具は全国共通ですか?

基本機能には共通点がありますが、名称、形、長さ、素材、使用規制には地域差があります。

SOURCES

主な参照資料

NEXT NODE

海女は、何を着て潜った?

次は「海女の服装」。白い磯着だけではない、地域と年代で変わった仕事着を追う。

海女の服装を見る →

AMA KNOWLEDGE MAP / 01–20

海女を、別の入口から辿る。

01 海女とは?02 歴史03 道具04 服装05 潜り方06 潜水時間07 採るもの08 徒人・船人・ノリアイ09 安乗の海女10 ウェットスーツ11 海女小屋12 磯メガネ13 磯笛14 カギノミ15 白い磯着16 仕事着20年17 船・港20年18 道具20年19 海女小屋20年20 身体・世代20年

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